機械学習の基礎(Foundation of Machine Learning)

前期金曜日2コマ目 総合人間学部棟1206(隔年開講?) 総合人間学部科目

授業の概要・目的

機械学習の基本的な考え方とアルゴリズムについて、いくつかの手法に関し解説する。計算機の処理容量と速度の向上に加え、グローバルなネットワークの整備と各種センシング技術の発展により、ますます大量のデータが取得可能になりつつある。また様々な統計的な機械学習の手法が開発されたことで、そういったデータを用いて或る意味知的な情報処理を行える範囲が広がりつつある。結果として今後社会的にも重要な影響を与えると考えられる機械学習について原理的な基礎の部分を理解する。

到達目標

数学的な最適化と機械学習の基本アルゴリズムの間の関係について理解する。
様々な問題に機械学習の手法を応用する基本的な考え方を身につける。

授業計画と内容

A. 講義の概要の説明と準備
(以下は一部省略・変更や順序の入れ替えの可能性あり)
B. 機械学習の手法でよく使われるものかなりの部分が学習アルゴリズムの本質的部分に数学的な最適化のアルゴリズムを用いている。以下の内容について数学的な最適化の理論とそれらを利用する機械学習を対比しながら解説する。
数学的な最適化の理論とアルゴリズムの例
1. 凸関数の最適化・2次関数の最適化
2. 繰り返し演算による単調な最適化
3. 非凸関数の確率的最適化
機械学習の例
1. サポートベクタ機械
2. 強化学習
3. ニューラルネットワーク
C. 必ずしも最適化と直接関係しない(かもしれない)機械学習の手法
D. 機械学習の適用例
E. ムーアの法則などの経験則を見て今後の技術的発展を推測する。技術的特異点(いわゆるシンギュラリティ)が訪れるとして、計算機やネットワークの技術へのその影響(想像を交えた考察)
F. 授業中の一部の時間を利用して、例えば以下のようなテーマについて受講者を交えた討論を行う予定である。
・今後どのように機械学習が発展し、使われていくか。
・技術的特異点が訪れると仮定して、その前後以降における様々な分野への技術的な影響の考察

履修要件

線形代数、微分積分学などの基礎的な数学科目、情報基礎・プログラミング演習などの計算機関係の基礎科目を履修済みか同時に履修していて、それらと同等の内容を理解し、プログラムをある程度書けることが望ましい。